部落問題から見る日本人のケガレ意識―『破戒』を中心に[日语论文]

要旨

従来、礼儀正しい国際的イメージを持っている日本だが、実際現実社会ではそのピカピカとした見た目とは全く正反対である。即ち、未だに日本社会に残り付いているある特定の地域や特定の職業に対しての差別問題である。それは、日本歴史上の部落問題から生じたものである。その由来の一説は日本人のケガレ意識だと思われる。日本人は死のケガレは最も汚くて下等なものだと信じている。屠殺や靴などの制作を生業とした人間も容赦なく穢れた人々だと差別された。島崎藤村は『破戒』という小説の主人公を描くことによって、社会的な矛盾を抉り出した。

本論文では今までの研究を踏まえ、『破戒』を例として、被差別部落民に関する問題を分析し、日本人の根強い伝統意識を探りたいと思う。日本人の独特のケガレ観と部落差別とのつながりを掘り出そうと思う。

人々が活動する範囲は大体限れた地域にある。ほかの地域の人によくわからないから、偏見や不理解などが生まれる。現在、中国社会にもそういう地域問題が存在している。日本の部落問題により中国に与える示唆を分析し、中国の地域的差別問題の解決に役に立つ方法を考えようと思う。

キーワード　破戒;部落問題; 差別; ケガレ