午後の明るい光線と澄んだ空気は窓の外から_日语外文翻译
编 辑:日语论文网发布时间:2018-10-21

译文:

虽然绿色的屏风在病房里林立着,可妻子躺在床上,就能通过入口洗手间墙上的镜子,倒映出他的样子,知晓他的到来。当他来到一号病房的门前时,一边体察着妻子的动静,一边小心翼翼地想要靠近。他绕过屏风,来到床边,妻子像恶作剧似的笑着迎接他,于是两天没来而感到抱歉的心情便转瞬而逝。病床旁的小桌上的花瓶中插着大波斯菊和鲜红小朵的大丽菊。他想在前天没看到的大丽菊找出些许的变化,午后灿烂的阳光和清新的空前不断从窗外窥探着照射进来。

......

他坐在病床边椅子上,反而觉得自己才是病人。下午他忽然开始发低烧,映入自己眼中的世界渐渐模糊,就连外界甚至是外界所折射出来的东西都觉得变得很鲜明美好起来。现在他所存在的世界变成了奇妙的结晶体。他在这狭小的结晶体中滑行,直到他来到妻子的病房时,这个世界才变得最清澈透明起来。

在套着白色被套的被子上,静静的盖着赤豆色的华丽扎染短外褂,就像雪上飘下的落叶般十分醒目地映入眼帘。把脸埋入枕头中的妻子的脸上,透露着好转的生气。两天前,他一直静静的听着妻子的话,直到病房开始变暗,走廊变得嘈杂为止,。最终,无精打采地走出医院。第二天,派去医院服侍妻子的女仆带回了妻子所写的信并交给他。在折的小小的信纸上,用铅笔写着的细小字体中,饱含着妻子的关心。(我目送着你无精打采地走在走廊上的背影,情不自禁掉下了眼泪。你的身体应该还好吧,让你为我担心,我的心里真的感觉很难过。......)他努力故作镇定的读完妻子的信,心里感到一阵痛楚。

对于他来说,收到妻子这样的信,感到新鲜的同时也夹杂着惊讶。妻子为了填补住院费用,提议将家里的柜子卖给老家。他无奈同意后,妻子就一味躺着,一个劲说他无能。十年前作为嫁妆从乡里的土墙仓库带过来之后,一次都没有使用过,把这个有纪念意义的柜子交给别人手中对他来说也是削骨之痛。但是,为了转变如今惨状,奋勇斗争的方法到底还有吗。他一边听着妻子的话,一边朝着渐渐变暗的窗外无力望去。在模糊的天空那边,在遥远的黑暗的海的尽头,浮现着喷着火慢慢沉入海底的战舰,热辣沙滩上被晒干的白骨。----这些不是鲜明的影像,,而是像某种冰冻的黑云一样将心吞噬。从那以后,虽然他的周遭一切还是很安稳,但是总有一种看不见的力量,每时每刻将他日常普通的生活粉碎。他和妻子就像两个突然被放进这无可奈何的处境中的人。彼时,他一边这样想,对妻子却无言以对......。无力坐在书房椅子上的他,把妻子的小小信纸按原样折回去。悲伤像一条黑河一样悄悄地不断地袭来。


原文:

緑色の衝立が病室の内部を塞いでいたが、入口の壁際にある手洗の鏡に映る姿で、妻はベッドに寝たまま、彼のやって来るのを知るのだった。一号室の扉のところまで来ると、奥にいる妻の気配や、そちらへ近づいて行こうとする微かに改まった気分を意識しながら、衝立をめぐって、ベッドのところへ彼がやって来ると、妻はいたずらっぽい微笑で彼を迎える。すると彼には一昨日ここを訪れた時からの隔りがたちまち消えてしまう。小さな卓の花瓶にコスモスの花が、紅い小さなボンボンダリアと一緒に挿してあるのが眼に留ると、彼は一昨日は見なかったダリアの花に、ささやかな変化を見出すのではあったが、午後の明るい光線と澄んだ空気は窓の外から、今もこちら側を覗いている。……

 ベッドの脇の椅子に腰をおろした彼は、かえって病人のような気持がするのだった。午後になると微熱が出て、眼にうつる世界がかすかに消耗されてゆく、そうすると、彼には外界もそれを映すものも冴えて美しくなった。彼の棲んでいる世界はいま奇妙な結晶体であった。彼はその限られた世界の中を滑り歩いていたし、そうして、妻の病室へやって来る時、その世界はいちばん透きとおっていた。

 白いカバアの掛った掛蒲団の上に、小豆色の派手な鹿子絞の羽織がふわりと脱捨ててあるのが、雪の上の落葉のようにあざやかに眼にうつるが、枕に顔を沈めている妻は、その顔には何か冴え冴えしたものがあった。二日まえのことだが、彼はこの部屋が薄暗くなり廊下の方がざわつく頃まで、じっと妻の言葉をきいていた。そして、結局しょんぼりと廊下の外へ出て行った。すると翌日、病院へ使いに行った女中が妻の手紙を持って戻り彼に手渡した。小さく折畳んだ便箋に鉛筆で細かに、こまかな心づかいが満たされていた。(あなたがしょんぼりと廊下の方へ出てゆかれた後姿を見送って、おもわず涙が浮びました。体の方は大丈夫なのでしょうね、余計な心配をかけて済みませんでした、……)努めて無表情に読過そうとしたが、彼は底の方で疼くようなものを感じた。

こうした手紙をもらうようになったのか――それは彼にとっては、やはり新鮮なおどろきであった。妻は入院の費用にあてるため、郷里に置いてある箪笥を本家で買いとってもらうことを相談した。彼がさびしく同意すると、妻は寝たままで、一頻り彼の無能を云うのであった。十年前嫁入道具の一つとして郷里の土蔵に持込まれたまま、一度も使用されず、その箪笥がひと手に渡るのは彼にとっても身を削がれるような気持だった。だが、身の落目をとりかえすため奮然として闘うてだてが今あるのだろうか。彼は妻の言葉を聞きながら、薄暗くなってゆく窓の外をぼんやり眺めていた。おぼろな空のむこうに、遙かな暗い海のはてに、火を吐いて沈んでゆく艨艟や、熱い砂地に晒されている白骨の姿が、――それは、はっきりした映像としてではなく、何か凍てついた暗雲のようにいつも心を翳らせている。それから、何気ない日々のくらしも、彼の周囲はまだ穏かではあったが、見えない大きい力によって、刻々に壊されているのではないか。どうにもならない転落の中間に、ぽつんと放り出された二人ではないか。そうおもいながら、あのとき彼は妻にかえす言葉を喪っていたのだが……。書斎の椅子にぐったりとして、彼は女中が持って帰った妻の手紙を、その小さな紙片をもとどおりに折畳んだ。悲壮がはじまっていた。そしてそれは、ひっそりとしているのであった。


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