病院の方へ足を運んでいることがあった_日语外文翻译
编 辑:日语论文网发布时间:2018-10-21

译文:

翌日,他按照约定的时间刚出门,就碰到了顺道路过妻子病房的津轻医生,相互微微点头打了个招呼,俩人便一同向走廊外走去。他走过医务室,进了一间宽敞的房间后,便解开了上衣的纽扣。妻子极度信任的津轻医生,从指间到行为举止都流露出恬静文雅的品质。虽然津轻医生曾经作为军医出过征打过仗,但完全令人感觉不到一丝当兵的粗鲁与野蛮。津轻医生那一直为妻子检查身体的手指,现在正漫游在他的背上,详细地探查着,就好像很简单地看穿了蹩脚的戏法一般,很快,便拿起笔,在复查用表格上胸部疾病的那一栏里唰唰地写上了两三行。然后小声嘀咕着“好像还有点脚气病的症状呢。”

诊察结束后,他便十分疲乏地朝着走廊的方向走去,忽地两眼一花,一股深深的疲劳感涌上了他的心头。之后他便回到了妻子的病房,刚一进门,眼前忽地被一圈艳丽地色彩恍住了眼。现在在妻子床边上的是,来探望她的俩位夫人。桌子上的菊花依旧杂乱无章。之前一直穿着朴素的邻组的女人们,今天偶尔的盛装,却让房间的空气久久无法平静。……“今天的南风真大啊”其中一位夫人一边探望着窗外,一边感叹道。这么一说,还真是,那铺着油毡的走廊,黏乎乎地湿气很重,就连玻璃窗的外侧,也爬满了白茫茫的雾气。探病的客人回去后,妻子便一脸疲倦,把头埋进了枕头里,她的脸颊好像还微微泛着红光。

那阵南风越刮越大,大海与天空好似被鼓吹地不断胀大,然后燃烧至苍白,一如灰烬一般。时不时就有那比盛夏的烈日还要热辣的阳光照射开来,将那片原野的绿意映衬得熠熠生辉。当这南风吹起时,每每会有些心绪不平的学生们开始浮躁起来。他时不时地将目光从讲台抛向运动场远方的那一团绿荫。纵目远眺,那绿荫被上升飞舞的沙尘所遮掩,模模糊糊看不大清,竟不知那是一片森林亦或是一座山丘。在那混浊的沙尘中,竟然栖居着一抹澄清,正是那抹澄清频频地牵引着他的灵魂。不消片刻,一辆辆轰隆作响的战车驶过了那片山坡,他纤细的嗓音,战车的轰鸣和学生们的叫嚷被毫不留情地揉在了一起。

那阵风平息了,秋色渐浓的蓝天浮现在眼前。午后明净的日光也在电车车厢里不断地川流。干瘪瘦弱的老人手捧着枯萎的大波斯菊,满脸惊悸地,蹲坐在坐席上。紧连着某个小车站的露天场子里,人流围绕着那堆积如山的装满芋头的麻袋,像蚂蚁一般地不停攒动着。弯曲的朴树和草丛的那一片,是一弯浅浅的泛着白光的海滩。这样的景致对于他来说只不过是习以为常的画面罢了,但是不知为什么,最近,这番景致竟有了清晰的轮廓,就好像一枚小小的画片一样停驻在眼前。他好想也把这张画带给妻子让她也能看看,怀着这样的心情,他朝着医院的方向迈开了步伐。


原文:

翌日、約束の時間に出掛けて行くと、妻のところに立寄った津軽先生は、軽く彼に会釈して、廊下の外へ彼を伴なって行った。医局の前を通りすぎて、広い部屋に入ると、彼は上衣のボタンをはずした。妻のひどく信頼している津軽先生は、指さきから、ものごしにいたるまで、静かにととのった気品があった。一度は軍医として出征したこともあるのだが、荒々しいものの、まるで感じられない人柄であった。その、いつも妻の体を調べている指さきが、いま彼の背を綿密に打診していた。すると、かすかに甘えたいような魔術が読みとられた。津軽先生はペンを執って、再検査の用紙の胸部疾患の欄に二三行書込んで行った。「脚気の気味もあるようですね」と先生は呟いた。

診察がすむと、彼はぐったりして、廊下の方へ出て行ったが、眼のまえの空間が茫と疼く疲労感で一杯になっていた。それから、妻の病室へ戻って来ると、パッと何か渦巻く色彩があった。いま妻のベッドの脇には、近所の細君が二人づれで見舞に来ていた。テーブルの上に菊の花が乱れた儘になっていた。いつもくすんだ身なりをしている隣組の女たちの、こうした、たまの盛装が、この部屋の空気を落着かなくしているのだろうか。……「ひどい南風ですね」と細君のひとりは窓の方を眺めながら云った。そういえば、リノリウムの廊下まで、べとべとと湿気ていたし、ガラス窓の外は茫と白くふくれ上って揺れかえしているのであった。見舞客が帰って行くと、妻はぐったりした顔つきで、枕に頭を沈めた。その頬はかすかに火照っているようであった。

その南風が吹き募ると、海と空が茫と脹らんで白く燃え上るようであった。どうかすると真夏よりも酷しい光線で野の緑が射とめられていた。落着のないクラスの生徒たちは、この風が吹きまくるとき、ことに騒々しかった。彼はときどき教壇の方から眼を運動場のはてにある遠い緑の塊りに対けていた。舞上る砂埃に遮られて、それは森とも丘とも見わけのつかぬ茫漠とした眺めではあったが、あの混濁のなかに一つの清澄が棲んでいて、それが頻りに向うから彼の魂を誘っているようだった。すぐ表の坂を轟々と戦車が通りすぎて行った。すると、かぼそい彼の声は騒音と生徒の喚きで、すっかり捩ぎとられてしまうのであった。

その風が鎮まると、漸く秋らしい青空が眺められた。澄んだ午後の光線は電車の中にも流れ込んでいた。痩せ細った老人が萎びたコスモスの花を持って、恐しい顔つきのまま座席に蹲っている。ある小駅につづく露次では、うず高くつみ重ねられた芋俵をめぐって、人が蟻のように動いていた。よじくれた榎と叢のはてに、浅い海が白く光っていた。そうした眺めは、彼にとってはもう久しく見馴れている風景ではあったが、なぜか近頃、はっきりと輪郭をもって、小さな絵のように彼の眼の前にとまった。その絵を妻に頒ち与えたいような気持で、病院の方へ足を運んでいることがあった。


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