『1Ｑ84』における理想主義について[日语论文]

要旨

日本の現代文壇において、村上春樹は代表作家として濃厚で鮮明な時代性や他と異なる独特な物語による作品から、長い間、世間の評判を博し、その名を世界にも馳せている。村上の多くの創作してきた傑作は、何カ国もの言語に翻訳され、世界範囲で読まれている。

『1Q84』は幻想と危険が満ちる恋愛の冒険を再現して、村上春樹の集大作である。本論では、村上春樹の『1Q84』における「理想主義」に関する研究をした。本の中で、登場人物たちは、様々な手段を取って自分の理想の中での世界を追求する。その過程の中で、善と悪の境をあいまいにしてしまう。どんな時代でも、いわゆる既定の社会システムに無条件に服従して、自分の思考力を失うことの怖さは、作家からの人間に対する警告である。本論は、本の中で不条理なシステムに対抗し、理想の社会を追求する登場人物を対象とし、人物の行為と心理変化を分析し、社会システムと人物の運命の関係を検討し、理想主義が人間にもたらす影響を明らかにする。

本稿は五つの部分からなっている。第一部分は序論であり、研究目的及び研究意義について述べている。また、国内外の先行研究や研究方法について述べている。第二部分は村上春樹を紹介し、『1Q84』のあらすじを述べる。第三部分と第四部分は、『1Q84』で描かれた組織と登場人物に注目して、そこに現れた「理想主義」について分析する。第五部分は第四部分に基づいて、「理想主義」の現実世界での意味を究明し、「理想主義」が人にもたらす影響を明らかにする。

キーワード  村上春樹  『1Q84』  理想主義  宗教