『舟を編む』における「舟」イメージの多重意味について_日语论文

要旨

文学の世界では、「舟」は媒介として、外から内へ、自然と人文と繋がっている。昔から各国の人々に一つのイメージとされてきて、深い意味を与えてきた。三浦しをんの小説、『舟を編む』は仕事に対して几帳面にしていた編集者たちが、十数年にわたって言葉の海に向かう「舟」――辞典「大渡海」を編纂した。作者は職人が「舟」を編むことを通して、言葉の世界と職人精神の魅力を見せてくれた。熟読玩味してから、「舟」に多くの意味を与えられ、次第に深い意味があると考えられる。

現在、『舟を編む』についての先行研究は主に主人公の職人精神に集中されており、この小説における「舟」イメージに関するの研究はほとんどない。そこで本稿は、小説のテキスト自体を出発し、さらに精読し、いくつかの記号学とイメージ学の研究を頼って、『舟を編む』における「舟」イメージを研究対象として、その多重意味を深く解読する。

本稿は四つの部分から構成されている。第一章は、「舟」のイメージをよく考察するために作者と作品の創造背景、小説のあらすじと作者が伝達したがっている「舟」イメージを取り上げて分析した。第二章は、「舟」というイメージの由来と概念を整えるし、現在の文学に代表される伝統的な意味を考察する。研究対象がその小説における意味を分析することができる。第三章は、小説には「舟」に象徴される辞書、繋がり、職業の三つの意味を分析している。第四章は、小説における「舟」イメージはどのような意義があるかと分析する。

『舟を編む』における「舟」は、作者から引き出された「辞典」の象徴だけではなく、言葉と職業も象徴している。本稿の目的は、「舟」のイメージについて研究し、小説自体の文学の魅力と創作価値を掘り出して、今後その小説について文学研究のために根拠を提供することができるのも望むことである。

キーワード：三浦しをん；舟を編む；イメージ研究；職人精神

目次

はじめに 1

1.三浦しをんと『舟を編む』 2

1.1 三浦しをんについて 2

1.2『舟を編む』の創作背景 2

1.3『舟を編む』のあらすじ 3

2.「舟」のイメージについて 4

2.1 イメージについて 4

2.2「舟」というイメージの分析 5

3.『舟を編む』における「舟」イメージの多重意味 6

3.1 言葉の「舟」 6

3.2 繋がりの「舟」 6

3.3 業の「舟」 8

4.『舟を編む』における「舟」イメージの意義 10

4.1 読者の興味をそそる 10

4.2 小説の主旨を深める 11

4.3 文学の美感を与える 11

終わりに 11

参考文献 13

謝辞 14