『今昔物語集』における地獄のイメージー本朝部を中心に_日语论文

要旨

『今昔物語集』は平安時代後期に成立した日本最大の説話集である。内容は仏教説話、因果応報説話、動物説話、歴史説話、世俗説話などがあり、素材が豊富で、あらゆる地域と階層の人間生活を描いた。三十一巻の説話は天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部に分かれ、説話の内容によって分類された。天竺、震旦部では、仏典や漢籍の翻訳翻案がほとんどで、本朝仏法部では『日本霊異記』以下の仏教説話により、文章を改め、あるいは潤色を加えたものである。

　仏教では、地獄は人間が死んだ後、魂がつらい罰を受けるところとされ、特に死ぬ前に罪の深い亡霊を罰するところを指し、仏教が日本に伝わった後、日本本土の「霊魂観」と融合し、『今昔物語集』では、こういう融合が見られる。当時仏教と儒学の転入に従い、日本人の死生観も大きな変化を生じた。地獄はだんだん庶民のうちに浸透して、さらに一層大衆に普及して、だんだん悪業の深い人が死後に堕ちた、つらい罰を受けるところとされ、極楽往生の反面とされた。

本稿は、平安時代の説話集『今昔物語集』における「地獄」イメージを中心にその起源と特徴を分析し、日本文学における受容と変貌を探求したいものである。

キーワード：『今昔物語集』；地獄；仏教；死生観；平安時代

目次

はじめに 1

1.『今昔物語集』 1

1.1『今昔物語集』の成立や内容について 1

1.2『今昔物語集』のにおける地獄説話の先行研究 2

2.本朝部における地獄説話 2

2.1『今昔物語集』本朝部における地獄説話の配置 2

2.2特徴 3

2.2.1 地獄の位置づけ 3

2.2.2蘇生 4

2.2.3 地蔵菩薩の力 4

3.ほかの作品における地獄のイメージ 5

3.1中国作品における地獄のイメージ 5

3.2日本作品における地獄のイメージ 7

4.地獄説話の背景、受容 8

4.1平安時代の時代背景 8

4.2仏教の転入と地獄観念の受容 8

おわりに 10

参考文献 11

謝辞 12