『地獄変』からみた芥川龍之介の芸術至上主義[日语论文]

要旨

芥川龍之介は日本大正文壇における新思潮派の代表人物である。日本文学史において重要な地位を占めている。二十世紀前半に彼は夏目漱石、森鴎外とと一緒に日本文学において三巨匠と呼ばれていた。代表作品の一つとしての『地獄変』は大正七年（1918年）5月1日から22日までずっと『大阪毎日新聞』に連載されていた。芥川の一生は純粋な芸術を追求し、芸術至上という思想をめぐて多数な小説を作った。『地獄変』は歴史物語を取材し、芥川に再創作された後、彼の芸術観を体現する代表作となる。作品の中の良秀は芥川が夢の芸術家像とも言える。このような芸術家はこころの中に芸術以外に何もない。しかし、芸術は現実を源にしたものである。

若い時、恋愛の失敗により、芥川は周りの人の利己的な一面を認識し、誰でもエゴイストとわかって人間に失望して、芸術至上主義を信奉するようになった。その芸術至上主義は『地獄変』によく表れてある。まず、その物語の構成に芸術と最愛の娘の衝突の設定は実に巧妙である。人間として切り捨てられない肉親の子への愛、その娘の命と芸術の間で一つしか選べないときになると、多くの人は娘を選ぶだろう。だが、良秀はためらわずに芸術を選んだ。この行動は良秀が芸術至上主義信奉者であることを証明している。小説の中の一番の権力者は大殿で、良秀はそれに屈服しないから娘が殺された。このことから、強権と芸術の間に良秀が選んだのは芸術である、わかる。また、娘と芸術の間に芸術を選んだというのは、良秀に人間性より芸術を大切に、つまり芸術至上主義者であるとわかる。小説のこの設定と内容の中に芸術至上主義としての作者の面影が見られる。

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