『羅生門』におけるエゴイズムについて[日语论文]

要旨

芥川龍之介は日本大正文壇「新思潮」の代表作家である。大正時代に社会の現実相が次第に露呈され、文化の面で、新しい時代のモラルを求めざるを得ない状態であった。当時の文壇を覆っていたのは白樺を中心とする理想主義の思潮であったが、その持つ精神的貴族性と言われるものが社会の複雑か共に次第に無力を暴露してきた。その時代に、理想主義の主張する正義や人道の裏に潜む利己心の醜さを感じざるを得なかった。

『羅生門』では、残酷な現実社会を掲示し、エゴイズムの世界を描いた。『羅生門』を読んだ後、人間は途方に暮れる時、論理道徳と法律を考えずに、自分の為になんでもすることが分かるだろう。『羅生門』はエゴイズムを批判するだけでなく、ヒューマニティーから見れば、エゴイズムを工具とし、現代人の人間性の善悪を掲示する。更にエゴイズムの捻じれた社会道徳を批判するのではないだろうか。本論文では下人の心理変化と老婆の言葉から、エゴイズムを考察してみたいと思う。

キーワード　人間性; エゴイズム; 醜さ