芥川龍之介『藪の中』の不確実な叙述についての研究[日语论文]

要旨

「大正文壇の鬼才」と呼ばれる芥川龍之介は日本文学歴史の中にまれにみる大作家であった。芥川龍之介よりの作品は大正時代を揺り動かすだけでなく、いままでも、強い影響を与えてくれた。芥川龍之介の一つの短編小説『藪の中』は、複数の視点から同一の事象を描く内的多元焦点化の手法がとられ、殺人という事件をめぐって四人の関係者と三人の当事者が告白する証言は書かれており、それぞれが矛盾し錯綜しているために真相をとらえることが著しく困難になるよう構造化されている。その未完結性の鮮烈な印象から、証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた。誰の証言が最も真実に近いのか、芥川の真意はどこにあるのかということが争われたが、近年ではテクストとしての意識が強まる。

本論文は芥川龍之介の一つの短編小説『藪の中』を中心にして、不確実な叙述を分析して作者は本当の創作モチーフは何のかを論述する。

キーワード  芥川龍之介; 薮の中; 不確実な叙述