芥川龍之介の『鼻』におけるエゴイズムについて[日语论文]

要旨：芥川龍之介は日本新思潮派の代表的な作家であり、古典に対する再創作の才能と伝統に対する継承能力を強く持っている。芥川は日本の歴史物語などの古典文学から栄養を吸収し、芸術の上で再創作により、原作と違った文学作品に変える。彼にとって、伝統は既定な存在ではなく、再創作である。一般的に、彼の作品は前期と後期という二つの時期に分けられる。前期の作品に『鼻』、『芋粥』、『地獄変』などが挙げられ、後期の作品に『河童』、『歯車』が挙げられる。前期の作品に歴史小説が多く、後期の作品に自伝の小説が多い。

その『鼻』は歴史物語の『今昔物語』を材料にした短編小説である。この作品は、主人公の禪智内供が長い鼻を短くし、そして短くなった鼻を再び長くした過程を通じ、人間のからかった態度が彼の心にもたらした苦しみを描き、資本主義社会の中で、人々が他人の不幸を喜び、人間性への無関心及び傍観者のエゴイズムを浮き彫りにする。本論文は先行研究をレビューにした上で、『鼻』におけるエゴイズム、そのエゴイズムが生み出される原因及び現実意味を分析し、それから現代人にどのような啓発をもたらし、調和した社会における私たちはどのように他人と自分を評価すべきかについて考える。

キーワード：芥川龍之介；『鼻』；エゴイズム；人間性；啓発