火野苇平《鹦鹉变化》论-蒲松龄《聊斋志异》阿英的受容和改作[日语论文]
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火野葦平の『鸚鵡変化』論ー蒲松齢『聊齋志異』「阿英」の受容と改作[日语论文]

要旨

火野葦平は日本文壇で名高い作家である。葦平は、早稲田大学在学中の1923年から、中国古典文学『聊齋志異』を愛読していた。また、火野葦平には、『聊齋志異』を元に改作し、小説化した作品群がある。『聊齋志異』は中国古典の傑作で、中国はもとより、国境を越えて日本でも人気をはくしている。特に、葦平の改作作品である譚シリーズはその代表作である。「鸚鵡変化」は、1950年2月1日に『読物時事』(第六巻二号)に田村閑の挿画を入れて発表された短編小説である。この作品は、中国の古典文学『聊齋志異』の「阿英」を題材とし、葦平の公職追放中に改作されたものである。戦時中、葦平は人気作家で英雄扱いとなる一方、敗戦後いきなり、「文化戦犯」となってしまう。これまでの価値観が百八十度に変わり、氏はどうしても納得できず、『聊齋志異』に救うことになる。また、追放を受けしばらくペンを縛られていた時期があるため、怪異譚である「阿英」を改作し、「鸚鵡変化」を書きげたのである。「鸚鵡変化」では欲深い嫂、嫉妬心の強い姜氏、好色な弟珏、拒絶性能欠如の阿英というイメージが描かれている。「鸚鵡変化」は風刺の中に、従来のすべての習慣や考え方を否定する戦後派世代を強く批判しながら、人間とは何か、どう生きるべきかを示した作品と言えるだろう。

キーワード:  火野葦平 『聊齋志異』 阿英 改作

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