『竹取物語』から見た権威主義特徴について[日语论文]

要旨

『大辞林』によると、「権威主義」は権威をふりかざして他に臨み、また権威に対する無批判に服従する行動様式と言うことである。筆者は、文中における「権威主義」は特権を握る人々が自分自身のため権威をふりかざして自分自身の目的を達成する行為と方式のことだと考える。この特権というのは、政治方面だけでなく、経済方面と軍事方面の特別な権利も含めている。このような権威主義は人たちの地位の平等を提唱する現代社会の主流の価値観と完全にすれ違うのである。極少数の人のみ至高の地位と巨大な権利を持っているのは権威主義のエッセンスである。『竹取物語』における天皇と出身高貴な五位の求婚者の求婚プロットを通じて、作者が権威主義に対する様々な形態が見られる。同時に、様々な登場人物の構成からも、作者が平安時代初期に外戚藤原氏族が政権を握ることだけでなく、藤原氏族及びその付属家族の巨大な特権に対しても強く批判する態度を示した。この原稿では『竹取物語』中権威主義者の様々な言行を分析し、権威主義の特徴をまとめる。また、この特徴の根源も探求することのよって、『竹取物語』中現れた平安時代初期の特別な政治現象である「摂関政治」をよりよく理解するつもりである。

キーワード：『竹取物語』；権威主義；特徴；形成の背景