『古都』におけるすみれの象徴的意味について[日语论文]

摘要

《古都》一书所描写的是1961年的京都的四季景象，以及随四季变化所进行的祭祀节日活动。这部小说以一对孪生姐妹的命运为中心展开。在《古都》一书中，川端康成赋予紫花地丁这一植物多重隐喻含义，借此细腻展现了千重子和苗子这对孪生姐妹的爱情和命运。

本文在具体的文本分析基础上，着眼于书中数次登场的紫花地丁这一植物，考察其所隐喻的主人公形象，进而阐明紫花地丁的象征意义。

《古都》一书充分展现了日本“物哀”这一传统美学思想，花与人之间共通的哀愁气氛贯穿着全书，而读者也会被这种淡淡的虚无和忧伤气氛所打动，这正是《古都》的文学魅力。

关键词：《古都》；紫花地丁；植物；川端康成

要旨

『古都』に描かれたのは、1961年の春から冬にかけての京都である。四季の変化とそれに伴って実際に行われた年中行事が描きこまれている。この小説は双子の姉妹の運命を中心にする。川端康成は「すみれ」というメタファーをもって、双子姉妹の千重子・苗子の愛情と運命を繊細に描いている。

本稿はテクスト分析を行ったうえで、作品に何度も登場したすみれという花に注目し、それに喩えられた主人公の人物像を考察し、すみれの象徴的意味を明らかにした。

『古都』はもののあわれという日本人の伝統的美意識を十分に表した作品である。花と人との間に漂う哀愁の美という雰囲気は作品全体を貫き、読者もその淡々しい空しさと悲しさに心を打たれたのであろう。これはまさに『古都』の文学的魅力である。

キーワード　 『古都』  すみれ　 川端康成