葉山嘉樹の作品の女性像の分析ーー『セメント樽の中の手紙』を中心に[日语论文]

要旨

葉山嘉樹（本名：葉山嘉重）は1894年に京都の福岡県郡豊津村小さな官吏家庭に生まれた。作家としての葉山嘉樹は、一連の小説を書き、生涯の大半を使ってプロレタリア文学に取り組んだ。彼は20世紀初期のプロレタリア階級の生活を通俗的で、なめらかな文筆で描くことが得意で、文章は簡潔であるが内包が深い。物語は生活に寄り添い、共感を引き起こし、社会に大きな影響を与える。その一連の作品の中に、『セメント樽の中の手紙』はプロレタリア文学の傑作として、重要な地位を占めている。『セメント樽の手紙』は葉山嘉樹の「反抗」テーマをよく表し、プロレタリア文学の祖と言ってもよかろう。          

『セメント樽の中の手紙』の中の女工という人物はクラシックな人物像である。女工という人物を出発点にして、女工の行動力と無力化、その原因及び女工のもたらった影響を分析することで、当時のプロレタリアの力は極めて弱く、プロレタリア運動が成功する可能性は微かだという結論を得た。

詳しく言えば、まず、研究によって分かったのは、女工が反抗意識と行動力を持っている原因は女工の階級、女工自身の性格、女工が直面する現実的な立場など関係があるということである。しかし、その条件を満足する人はとても少ない。そして、女工の無力化の分析することから女工自身の無力化のほかに、当時の社会環境が一番な邪魔だということがわかる。与三最後の行為を分析することにより、女工という積極的なプロレタリアはほかのプロレタリアにもたらした影響は非常に微弱であると考えられる。それ故に、プロレタリア運動が必ず失敗する結論を得た。

キーワード：女性像  行動力  反抗意識  無力化