『舞姫』における主人公豊太郎の悲しさに関する研究[日语论文]

主旨

『舞姫』は、森鴎外の短編小説であった。1890年（明治23年）、民友社社長の徳富蘇峰の依頼を受け執筆し『国民之友』に発表した。森鴎外が1884年から4年間ドイツへ医学を学ぶために留学した時の体験を下敷きにして執筆された。主人公の手記の形をとり、その体験を綴る。高雅な文体と浪漫的な内容で初期の代表作であった。本作、『うたかたの記』、『文づかひ』の三作品を独逸三部作である。あるいは浪漫三部作と呼ぶことがある。なお、主人公には作者森鴎外といくつかの類似点がある。太田豊太郎の人物設定には、秩父郡太田村（現埼玉県秩父市）出身の軍医、武島務（1863年-1890年）の生涯が色濃く投影されている。太田豊太郎の名前も、武島の出身地秩父郡太田村の太田と、森鴎外の実名である林太郎とを合成して命名したものと考えられる。

異国の二人の愛情に悲劇の必然性があり、いろいろな原因があるはずだと思われる。これはさておき、本文は明治初期の日本社会文化、ドイツの社会文化、森鴎外の人生観や思想、主人公である豊太郎の思想の矛盾性と「近代の自我」の目覚めることは不徹底から考えて主人公である豊太郎の悲しさについて論じてみたいと思う。

キーワード:　森鴎外；舞姫；太田豊太郎；背景；思想