『山月記』から見た中島敦の自己矛盾意識_日语论文

要旨

『山月記』は、唐の詩人李徴が心の矛盾に耐えかねて虎に変身する物語を描いている。隴西の李徴はかつて名を虎榜に連ね、江南尉に補った。しかし、片意地で自負心が強く、役人の身分に満足できなかった。彼は官職を辞し詩人として名を成そうとするも、うまく行かず、ついに挫折にあった。小役人となって屈辱的な生活を強いられたが、その後、地方へ出張した際に発狂し、行方知れずとなった。翌年、彼の数少ない旧友であった袁傪は、公務に赴く途中で虎に襲われる。しかし、その虎の正体は李徴であった。虎となった李徴は姿を隠したままいきさつを語る。まだ自分が記憶している数十の詩編を書き記して残してくれないかと頼んだ。別れを惜しむ李徴は、残された自分の妻子の援助を袁傪に依頼した。

原文『人虎伝』と改編本『山月記』を比べると、中日学界には一般的に共通の認識が存在する。『山月記』は近代知識人の自己意識の問題を際立たせており、因果の応報を宣伝する『人虎伝』とは実質的な違いがあると考えられる。これまでの文献研究から，中日学界では『山月記』の研究内容が主にその中に存在する不安意識，自己意識などのテーマについての検討がなされており，研究の方向からは主に比較文学が論じられている。

本論文では、『山月記』を中心に分析を進め、主人公の人間としての変化や変化する前後の心理的な言葉などを比較することで、主人公の「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」について考察する。さらに主人公の李徴が虎に異化した原因を探究し、中島敦の家庭と時代背景を考慮に入れ、中島敦と李徴の共通点を見つけ出し、その中に含まれる中島敦自身の自己矛盾意識を掘り起こし、今後の研究にも根拠を提供していきたい。

キーワード 『山月記』 中島敦  自己矛盾意識

目次

はじめに 1

1. 作者と作品の紹介 2

1.1 中島敦 2

1.2 『山月記』のあらすじ ３

2.自己矛盾意識の表現 ３

2.1 役人と詩人の対立 ３

2.2 虎と人間の対立 ４

3.自己矛盾意識の意味 ４

3.1 臆病な自尊心 ４

3.2 尊大な羞恥心 ５

4.中島敦の自己矛盾意識が生まれるの原因 ５

4.1 家庭の原因 ６

4.2社会の原因 7

終わりに ７

参考文献 ９

謝辞 10