「夏目漱石文学」から見た明治末期の知識人の戸惑い―『三四郎』の人物像解析を中心に_日语论文

要旨

明治末期に入って、明治維新の改革が進むにつれて、「文明開化」の風潮が形成され、従来の日本社会に大きな影響を与えた。だから夏目漱石のような知識人が生まれた。彼らは未来に困惑し、明治社会に憤りを感じた。彼らの作品に多くの個性的な知識人を描写していた。

例えば、夏目漱石の小説―『三四郎』には進んだ思想を持つ知識人が多く登場している。主人公の小川三四郎は明治時代の夢に憧れた青年世代知識人の典型的なイメージである。しかし、明治維新社会の転換期において、知識人は内心の世界が孤独で、複雑である。それらの知識人たちは自己を実現し、精神的な自由を追求するが、矛盾、不安、困惑などの苦痛を経験した。『三四郎』はそのような青年を描いた。作者もそれらの人物像を通じて、日本の近代化に対する態度を表している。

本文は夏目漱石の文学理論を結び付けて、知識人の困惑する心理を分析することで、明治社会の矛盾と醜悪および作品の現実的な意義を探究してみる。

本文は4つの部分に分かれている。

第一章は序論の部分であり、主に問題提起、先行研究、研究の意義と現状から構成される。

第二章には主に作者の夏目漱石の生涯と作品を通して、「漱石文学」における知識人のイメージを探究し、共通の特徴を分析する。

第三章には「三四郎」の中に現れた代表的な知識人、例えば三四郎、美弥子、広田さんに対して深い分析を展開し、明治時代の知識人の心理世界とその困惑を探究する。

第四章は時代背景と作者の夏目漱石の創作思想を結び付けて明治末期の知識人の困惑の原因を探究して、および社会文化発展に対しての意義も探究する。

キーワード:夏目漱石文学;明治末期;知識人;戸惑い;東西文化;個人主義

目次

はじめに 1

１．本課題の先行研究と研究現状 1

1.1問題提起 1

1.2先行研究と研究現状 2

2．夏目漱石とその作品に関する紹介 3

2.1明治末期における夏目漱石 3

2.2「漱石文学」及びその文人イメージ 3

3．『三四郎』に登場した人物像 4

3.1三四郎の戸惑い 4

3.1.1三四郎と「汽車の女」 4

3.1.2与次郎との付き合い 5

3.1.3「三つの世界」への戸惑い 5

3.2美弥子の個人主義 6

3.2.1美弥子の恋愛観 6

3.2.2日本近代の新しい女性像 7

3.3広田先生の文人矛盾 7

3.3.1知識人としての高潔 7

3.3.2東西文化に対する矛盾 7

4．明治末期の知識人の心理に関する分析 8

4.1戸惑いの要因 8

4.1.1東西文化の衝突による精神的困惑 8

4.1.2作者自身体験の投影 9

4.1.3日本伝統文化からの影響 9

4.2戸惑いから覚醒への過渡 9

4.3社会発展と文化融合 10

おわりに 10

参考文献 12

謝辞 13