本格推理小説の現状分析―『謎解きは夕食の後で』の成功を中心に[日语论文]

要旨

これまで、本格推理の作者は、本格的な推理小説のルールを厳守してきた。長い間、トリックを中心としてきたから、大衆に受けられない 。社会派の推理の出現は、本格推理を寒冬期にまで入れる。島田荘司をはじめとする新たな本格派の出現に至るまで、本格推理の転機を迎えてきた。21世紀になると、推理小説は純粋な謎解きのゲームとして存在しなくなり、かえって社会の不合理な制度に対する非難とされている。つまり、推理小説の「文学性」が主流となっているが、それ自体の「推理性」は置き去りにされている。これこそ、トリックを中心にした本格ミステリーを苦境に陥らせている。

本論は、先行研究の上で、本格推理の起源と発展を顧みることにより、本格という特有の語彙は日本から作られたもので、日本の推理界にも推理小説家にも独特の意味があると指摘した。『謎解きは夕食のあとで』という小説の作風を分析することにより、ユーモアな内容、推理性の貫き、成功な人物像と主題の変化の四つの方面から作品の大人気の原因を明らかにした。この研究を通じて、読者が現在の本格推理小説の現状を一層はっきりと認識できればいいと期待される。

キーワード：本格推理小説；現状；笑いミステリ；トリック